ステイ クローズド

だいたい悪態です。

良いけどウザイのパイオニア

太宰治の『人間失格』を読んだのは恐らく中学1、2年の時だった…と記憶しているが、恥ずかしながらその時は結構感動した。やはり今より二回りくらい繊細で、ストレートな軟弱さもあったからだろう。とっくに成人した現在の自分が改めて『人間失格』のハイライ…

女性作家の母親描写

探してる訳じゃないのに妙に目について仕方ないのは、欠陥だからなんだと思う。母娘の確執ってのは昔からよくある定番テーマで、カタルシスを得るためかやはり女性作家が自身の経験を活かして取り扱ってることが多いけど、その一方で成功例は案外少ない気が…

拝呼吸・敗呼吸

拝読と敗北は似ている、と最近思う。 というのも拝読のたびに敗北を数えているような気がするからだ。勝ち負けや優劣に拘泥しすぎる悪い癖。わかっていても癖ってやつはどうしようもない。征伐されることに我慢ができるタチでもない。 これに対して何を言お…

『ショーン・タンの世界』と『アライバル』

ショーン・タンの世界 どこでもないどこかへ作者:ショーン・タン発売日: 2019/05/20メディア: 単行本(ソフトカバー)いま全国巡回中の「ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ |」の公式図録。去年東京のちひろ美術館で開催されていて行けず終いに…

赤の他人ファイト

ブチギレ花火、中から見るか外から見るか。 5月からTwitterを始めたらしい川上未映子のとあるバズツイートが目に入り、それが何やら面白かった。 ジムのエレベーター。老人男性、老人女性、私の順で乗り。すると男性が「三階!」といきなり偉そうに命令した…

へその緒結び

ちょうど1年くらい前に女性観に関する記事を書いたのだが、意外なことに未だにそこそこ読まれている。まあこのブログの「読まれてる」はつまり全然読まれてないってことなんですけど。でもこのブログにしては読まれてる。このブログにしては 。「女性の女性…

キケロ『友情について』

老年について 友情について (講談社学術文庫)作者:キケロー発売日: 2019/02/09メディア: 文庫 再読本。大学時代に岩波文庫版で読んで大層感動し、人と人との関係性に対する考え方を15度くらい変えさせられた思い入れの強い本なので、去年講談社学術文庫で新…

鬼滅の刃がハマらない

職場の人から借りて『鬼滅の刃』を一気読みした。 …ハマらなかったな。いや、ハマらないというのは配慮と保守を含んだ表現だが、もう有り体に言ってしまうと、全然面白くなかった。壊滅的につまらない。 自分は普段「売れてる漫画」にはそれだけで信頼を置く…

シェル=シルヴァスタイン『おおきな木』

おおきな木 作者:シェル・シルヴァスタイン,Shel Silverstein 発売日: 2010/09/02 メディア: ハードカバー 半年に1回くらい、無性に絵本が読みたくなる。 母親の趣味で幼少期にちょっとした絵本英才教育を受けていたためだろう。今でも書店に行くと絵本コー…

「オンライン飲み」がなんか苦手

世の中で隆盛していても、自分は乗れない波がある。 世間との断絶を感じることなど誰しもいくつもあるものだが、最近の私にとってのそれが「オンライン飲み」だ。なぜ乗れないかと言うと、気に食わないからではない。いや、それもちょっとあるかもしれないけ…

『HUNTER×HUNTER』蟻編の好きな文

久しぶりに蟻編を読み直したんだけど、やっぱめちゃくちゃ面白い。HUNTERはずっと面白いけど個人的には蟻編が一番だな。 HUNTER×HUNTER カラー版 29 (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:冨樫義博 発売日: 2013/04/04 メディア: Kindle版 HUNTER×HUNTERは文字…

教育に良いお友達

「〇〇(私)と遊ぶって言ったらお母さん喜ぶから」 友達にそう言われる子どもだった。成績優秀で品行方正(笑)、学級委員はやらないがクラスの班長程度は引き受ける保守的加減。保護者ウケが悪い筈がない。 自分が優等生であり優等生気質であることは、小…

弓削達『地中海世界』

地中海世界 ギリシア・ローマの歴史 (講談社学術文庫) 作者:弓削達 発売日: 2020/01/10 メディア: Kindle版 古代ギリシアと古代ローマを「地中海世界」としてひと繋ぎに追う本。ゆえにかなり駆け足だし、著者のメイン研究域であろう帝政ローマに入るまでだい…

萩尾望都『11人いる!』

11人いる! (小学館文庫) 作者:萩尾望都 発売日: 2014/08/25 メディア: Kindle版 あらすじ 宇宙大学受験会場、最終テストは外部との接触を絶たれた宇宙船白号で53日間生きのびること。1チームは10人。だが、宇宙船には11人いた! さまざまな星系からそれぞ…

宇多田ヒカルの好きじゃない曲

私はミスチルの「彩り」が虫唾走るほど嫌いなのだが、この前すき家行ったら彩りが流れていた。それで改めてこの曲へのムカつきがむくむく湧いてきて、帰宅後すぐにネットで同意を探そうと「彩り 嫌い」で検索したら(陰キャ特有の行動)、意外なことに彩り嫌…

夢の記憶は昼間の残滓

昼間の出来事がその日の夢に反映されるっていうのは経験的にわかる話だ。筒井康隆の『パプリカ』ではそれを「夢には昼間の残滓が現れる」なんて言ってた。 パプリカ (新潮文庫) 作者:筒井 康隆 発売日: 2011/06/01 メディア: Kindle版 しかし昼間というのは…

タイトルが良い小説

本の装丁買いとか表紙買いってしないけど、タイトル買いはたまーにする。 そこでちょっと気が向いたので、自分が思う「タイトルが魅力ある小説」を挙げてみた。既に出尽くされている話題と思うが、超有名どころはある程度避けて自分の趣味の中で、以下のパタ…

Pretenderについて思うこと

今をときめく4人組バンドOfficial髭男dismの2019年の大ヒット曲「Pretender」 別にいいんだけど、この曲がこんなに流行るってことは、そーゆーことなの? みんな、この歌詞に共感しちゃってるってことか。 そーゆー時代だってことか。 あれ、歌詞をよく見る…

怒りというエネルギー

気づいたら世間が阿鼻叫喚しているような殺伐としているような今日この頃。 私は最近また本腰入れて小説なんかを書くようになったんですが、ちょうどこの前3月末締切の文学賞の応募が終わり、生活がちょっと一段落した。 ただ出した小説はかなり悔いが残る出…

今日のヒルナンデスの春日

今日のヒルナンデス、自分の中でめちゃくちゃ印象的な場面があった。 ちょうど13時くらいにやってた「街角の20代が選ぶマッチョな有名人トップ10(うろ覚え)」を当てるコーナー。レギュラーメンバーがきんに君とかダウンタウン松本の名前を挙げる中、水曜レ…

『アメリカ名詩選』生活の中の詩

フランスよりイギリス、イギリスよりアメリカ。小説に関して言えばそれが自分の好みだった。もっとも大した遍歴があるでもないが、フランス小説はどうも貴族的で陶酔した雰囲気のあるものが多くて食傷してしまうし、イギリス小説はそれよりはとっつきやすく…

『ドラゴンクエストⅪ』はじめてのドラクエ

Switch版のⅪSを始めて苦節3か月、じっくり遊んでようやく真エンドまでクリアした。いまレベル95くらいで、プレイ時間もちょうど95時間。 www.dq11.jp 【通常版】ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S - Switch 作者: 出版社/メーカー: スクウェア・エ…

映画『桐島、部活やめるってよ』

傑作。青春映画って良いじゃんと初めて思わされた。 朝井リョウの原作も読んでいないし、今日ふとU-NEXTで見かけて「そう言えばコレ評判いいらしい」「いま話題の東出も出ているらしい」と軽い気持ちで見始めただけだったのに、蓋開けたらめちゃくちゃ面白く…

立花隆『エーゲ 永遠回帰の海』

2005年に出た本ではあるが、この1月に文庫が出たと聞いてそれを買った。 立花隆って読むの初めてだったんだけど、さすが「知の巨人」なんて目されているだけあって一つのセンテンスでめちゃくちゃ教養エピソードが派生して語られるので、ちょいちょい置いて…

『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』

広告を一目見て「絵が良いなー」と思い、今日やっと見に行けた。 『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』日本語字幕予告編 とにかく絵がめちゃくちゃ良い。 パステル調の主線なしベタ塗りイラストって最近流行りだし自分も好きだが、映画でこの画法使っ…

武者小路実篤『愛と死』

祝・2020年。 年も明けたことだし、今年はこのブログをもうちょっと気軽に動かしていきたい。というわけでメモ程度の読書記録を始める。新年早々本を読むことができた。 あらすじ(下記リンク先より引用) 友人野々村の妹夏子は、逆立ちと宙がえりが得意な、…

『ヒストリエ』人間と英雄、似て非なる者

最近、岩明均の『ヒストリエ』を一気読みした。 岩明均作品は数年前に寄生獣を読んだくらいだったのだが、舞台が古代ギリシアだと聞いて『ヒストリエ』にも興味を持ち軽い気持ちで読んでみたら、これが面白いこと面白いこと…。ここ5年で読んだ漫画の中で断ト…

女の「敵」は女、ではなく…

1年くらい前から折々に考えさせられる、頭をもたげさせられる自分の中のテーマじみたものがあり、ずっとそれだけのための文章を作ってみたくて書き溜めしていた。でも一回「こうだ!」と思ってもすぐにその認識を覆させる出来事が起こって再考せざるを得なく…

Face My Fears / Don't Think Twice 訳

新曲2曲の英語詞すごく良かったので今更ながら自己流で訳。 誤訳があるかもしれないし、そもそも歌詞和訳って扱いがデリケートだと思うので、しばらくしたら本記事は削除する予定です。どういう形式なら問題ないかある程度は調べたんですが、自信がないので…

宇多田ヒカル2018ツアー「Laughter in the Dark」感想

今更すぎるけど感想を書く。 12/8の幕張メッセライブの一般抽選が当たり、行ってきました。 道すがらのことから書く。 19時開始なので18時過ぎからメッセに移動開始。道すがらぞろぞろ人が集まってきて、歩きながら「これみんな宇多田のファンなのか…」って…