取らぬ狸の胸算用

思い込みが激しい

西村賢太氏哀悼。
数少ない存命の好きな日本人小説家だった。

ざまあみろはあります。とてつもなくあります。今まで「文學界」の新人小説月評で調子よくけなしてくれたゴミみたいなやつにさえも、心の底からざまあみろと思ってますね。あと、僕をバカにした書き手や、一部の編集者、販売の連中にも。(『逆人徳者の宴」)

自身をあらゆる点で負け犬だと自覚すればこそ、尚と私小説を書かずにはいられないのである。(『落ちぶれて袖に涙のふりかかる』

小説書きたる者、作者の儚い虚名よりも、その作品名のみで人様の記憶の隅にありたいものである。(『下手に居丈高』)

曰はく根はデオドラント思考だそうだが、近年稀に見る匂い立つ文章を書く人だった。
死して尚作品の評価の増すことを信じる。