取らぬ狸の胸算用

思い込みが激しい

宇多田ヒカル2018ツアー「Laughter in the Dark」感想

今更すぎるけど感想を書く。

 

12/8の幕張メッセライブの一般抽選が当たり、行ってきました。

 

道すがらのことから書く。

19時開始なので18時過ぎからメッセに移動開始。道すがらぞろぞろ人が集まってきて、歩きながら「これみんな宇多田のファンなのか…」って変な気持ちになった。メッセ(国際展示場9-11ホール)の収容人数何人か知らないけど(1万人弱くらい?)、これは引率のスタッフも大変だ。

ちょうど数週間前にとある大学の学祭に行ったが、そこで恐らく1回生の初々しい学生たちがロシア料理の露店出してて、お昼時に長蛇の列が出来てたの思い出した。学生、あまりの忙しさでパニックになって「ピロシキ班増員まだ!?」「肉ピロシキの人たち野菜ピロシキに移って!」みたいに叫んでてすごいパンデミック起こってたんだけど、やはり宇多田ヒカルライブ会場のスタッフは冷静、訓練されていた。学祭は学祭で微笑ましくていいけどね。

 

人生初のライブだからいろいろ驚くことばっかりで、デジタルチケットとか顔認証とかファンの献花とかグッズ販売の様子とかどれも目から鱗だったけど、会場入った時が一番度肝抜かれた。会場がライブホールではなくて展示場だったから、っていうのが大きいんだろうけど、バカでかい長方形の箱みたいな場所に一面パイプ椅子が敷き詰められてて、それが「京都市の地理?」みたいな感じに碁盤の目状に区画されていた。碁盤の目が交わるチェックポイント的な場所にスタッフが点在して道案内。数人に一人くらい明らかにリーダーだろみたいなシュッとした顔つきの人がいて、その人はやっぱすごかったね。皆ほかの人じゃなくてその人に席の場所尋ねに行くし、尋ねられた時は一瞬で「ああ…そこですね」って寸分の迷いもなく案内してた。

 

まあそんなことは置いといて、同伴の姉と一緒に席(パイプ椅子)に着いてそわそわ。

席は真ん中よりちょっと後ろくらい。開始まで待ってる間も、「今も宇多田めっちゃ近くにいるんだよな…」と改めて考えるとなんか到底信じられない気持ちになる。

10年追っててもテレビやスマホやパソコンや雑誌でしか見たことがなかった人が今からここに現れて、私がずっと聴き続けた歌を歌うんだ、って、なかなか不思議な感覚だった。

 

そして19時。ぼわぼわっとした黄色い照明に包まれたステージの地下から宇多田ヒカル登場。席は遠かった筈なんだけど、くっきり見えた。

 

最初に歌う曲「あなた」だったのが良かったな。入りがめちゃくちゃ綺麗ですよね。

 

そこから先、ほんとあっという間の2時間だったな~。

セットリスト(って呼ぶことすら初めて知った)を、ここでも一応残しておく。

 

あなた

traveling
COLORS
Prisoner Of Love 
Kiss&Cry
SAKURAドロップス

ともだち
Too Proud
誓い
真夏の通り雨
花束を君に
Forevermore
First Love
初恋
Play A Love Song
 

≪アンコール≫
俺の彼女
Automatic
Goodbye Happiness

 

以下、思いついた感想箇条書き。

・CDと生歌は違うってよく聞くけど、宇多田ヒカル完全にCDと同じ声をしていた。瞼が震える歌の上手さ。素晴らしかった。

・どの曲も良かったけど、「あなた」「光」「Too Proud」「Play A Love Song」「俺の彼女」「Automatic」特に良かった。Too Proudみたいな曲がライブで出てきたのも意外だが良かった。アドリブと言っていいのかライブで初めて聞く歌詞回しがあって全部聴き取れなかったけど、「男と女は出会った瞬間が最高」云々言ってたな。「俺の彼女」は演出がカッコよかった。ステージのメインのプロジェクタースクリーンに、宇多田の肩から上の真っ黒シルエットが5箇所移ってて、まあ宇多田が5人いる状態になってたんだけど、それがすごいカッコよかった。言葉に起こすとなんじゃそらって感じだけども。舞台演出といえばPlay A Love Songも良かった。サビ前に照明が一斉にフゥッ↑って上昇していく感じが…。ていうか演出全曲めちゃくちゃ良かった。スクリーンの映像も全曲しっくり来たし、「え?」っていうのが全くなかった。徹底されている。わかってる人が作ってる。

・過去のライブでもたまに宇多田が言ってた「もっと声を聞かせてよ!」、このライブでも言ってた。私はこのセリフがなんか面白くてツボだから聞けてよかった。ライブの客層としては明らかにみんな大人しめで羽目を外さなさそうな人ばっかりだったから歓声とかはそんなに大きくない、つまり客はあんまり声を聞かせてくれない、ってところも合わせてなんかツボ。良い雰囲気だった。

・フリートーク宇多田ヒカル緊張しててそのぎこちなさが面白かった。間に困ったら「…ふう。」って言ってお茶を濁していた。話す内容も誠実だったし。そんなぎこちないフリートークを油断して聞いてたら息継ぎなしで急に次の曲始まったりするし、で歌声は膝を打つほど完璧だし、やっぱすごい。

travelingの時「みんな盛り上がる時間だ 幕張メッセ」って言ってたのと、Kiss&Cryの「お兄ちゃんのインターネット」はやっぱり「娘さんのリストカット」に変えてた。

・昔の思い出話で…デビューして少し経った頃本気で悩んで辞めることを考えた、そしたら母に「いいんじゃない?」と軽く返されて拍子抜けした、という話をしていた。その時もそうなんだけど、全体を通して「母親に自殺された人だな」っていうのを改めて強く感じた。それは別にどうしようもない悲壮感が出ていたとかそういう意味ではなくて、周りの人間や世間に揉まれて深く傷つききった人、それでも生活を続けていくことを決めた人だなという感慨が湧いてくる、という意味で…。ただ孤高っていうのともちょっと違う愛情や母性を感じたし、穏やかだけど凍てついた、みたいな熟れた女性の二面性が出ているな、と感じた。疲れた女ってなんか魅力あるんだよな。

 

まあそんな感じ。終わった時は頭がぼーっとして、終わっちゃったなー、やっぱすごい人だったなーって帰り道思いました。

不満ほとんどない最高のライブだったと思うけど、欲を言えばUtadaの曲もちょっと聴きたかった。せっかくなので。でも次回に期待ということで、次やる時も行きたいな。

 

あとグッズ、マグカップとTシャツを買った。どっちも黒。

特にTシャツはグレーと黒があったんだけど、絶対宇多田は黒だ!と思って黒を購入したら案の定アンコールの時に黒の方のTシャツ着てて「よっしゃ!」ってなった。正直どっちの色も持ってるだろうけどね、ライブグッズだから。でも宇多田ヒカルはこういうの絶対黒着るんだよ。グレーとかいう中途半端な色は着ない。曲のイメージは結構グレー似合うというか、セメントみたいな色味を喚起させる曲よく出してるけど。服は黒。どうでもいいですね。

 

何はともあれ12/9、ツアー最終日でデビュー20周年だった宇多田ヒカル

おめでとうございます!!生で見れてうれしかった~~~!!!

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