取らぬ狸の胸算用

思い込みが激しい

GARNET CROWなど

2か月くらい前に突然GARNET CROWの公式YouTubeチャンネルが出来て、過去のMVが40本以上アップされた。音楽には疎いのですが、GARNET CROW宇多田ヒカルの次に好きなアーティスト…というか宇多田ヒカルGARNET CROWくらいしか特別好きじゃないので、ちょっと嬉しい驚きだった。もうとっくに解散しているし何を望むべくもないなと思っていたけど、今更YouTubeチャンネルが出来るとは、もしかしたら近々何か良い知らせがあるのかもしれない。少しだけ期待していようかな。



GARNET CROW「クリスタル・ゲージ」


歌詞が特別に深遠という訳ではないし、メロディーの良し悪しも自分にはそんなわからないけど、他の歌手からあまり感じたことのないノスタルジックな寂寥感、茫漠とした温もりがあって無性に惹かれる。azuki七の詞も中村由利の低い歌声も好きで*1…本人の現在についてはいろいろと憶測もあるみたいだがそれはそれ。『flying』『二人のロケット』『永遠を駆け抜ける一瞬の僕ら』『Timeless Sleep』『クリスタル・ゲージ』あたりにとりわけ魅力を感じる。このブログを読んでいるごく少数の方々ももし良かったらどうぞ。解散してるから仕方ないけど、あまり知名度が高くないのが歯痒いなと思う。


音楽に関する見識はもう絶無に等しいので頓珍漢な主観的意見かもしれないですが、ここ数年の流行歌って結構ジャジーというか全面的にテクニカルなものが多い気がします。どんどん難しく細かくなってるような。誰かも言ってたけど大衆の耳の進化がそれくらい早いということなのかな。米津玄師みたいな才能溢れるボカロ出身クリエイターの衝撃が余程大きかったのかもしれない。
自分の耳はあまり進化していない。音楽だと自分は女性アーティストのが好きになりやすく、宇多田ヒカルガネクロはじめ、Cocco倉橋ヨエコとか、最近はユーミンもわりと好きなのですが、彼女達の音楽は曲も歌詞も非常に直線的でわかりやすい構造をしているように思う。神は細部に宿るみたいな婉曲や芸の細かさ、悪く言えば回りくどさやアイロニーがあんまり無く、スッと胸に届いてくる。実際はそりゃ途方もない音楽的な技巧が多分に組み込まれた上でナチュラルに仕上がっているのでしょうが、それを意識させない清涼感がある。でもそれも自分と相性が良いからそう思うだけかな。


音楽に乗せる言葉って一番恥ずかしくなりがち、ポエミーになりがちで、皆が涼しい顔して歌ってのける曲の歌詞も、文字に起こしてみるとかなりキツイことを言ってたりする。岡村靖幸のヒット曲『愛はおしゃれじゃない』を今日久しぶりに聴いてみたら歌詞が気持ち悪すぎて戦慄を禁じえなかったけど、「でも音楽だから逆に良い」と楽に割り切ることはできる*2。メロディーの中の言葉は語感の気持ち良さが最重要なのであまり内容に頓着するのも馬鹿らしいし、それ以上にポップスって1曲5分くらいにテーマを濃縮させなきゃいけないから、伝える言葉もエッセンシャルにならざるを得ず、香辛料的に気持ち悪さを盛り込む、みたいな塩梅が困難で、むしろ気持ち悪い歌は吹っ切れてとことん気持ち悪くした方が活きるのでしょうね。ただひたすらにキモく在ることさえ歓迎される、それも表現の場の良いところだし見習いたい。不案内なのでこのへんにしときますが。


最近知った曲だと鈴木愛理さんの『Break it down』はすごく良かった。髭男の人が楽曲提供しているようで、まあ話の流れ的にももちろんテクニカルではあるのですが、流石、「言葉と逆を行く私のイヤホン」って言語センスは悔しいけど一線を画してて良い。鈴木愛理さん自身、門外漢の目から見てもNiziUよりだいぶ歌もダンスも上手いと思う。
そして最近いつのまにやら、宇多田ヒカルの新しめの数曲がYouTubeでフルMV解禁されてた。学生の頃に比べると宇多田ヒカルへの傾倒はだいぶ薄まったけど、何度聴いても『あなた』は名曲だ。ただ皆さん感傷的になるあまりコメント欄で終わりなきポエムが繰り広げられている。


宇多田ヒカル 『あなた』

*1:1/25追記 私としたことが誤植でなぜかメンバー名打ち間違えてた。大変失礼。直しました。

*2:1/25追記 この曲のPV(ライブ映像)見ても思うんですが、こういう男の性欲を赤裸々に歌うアーティストを好む人って、寧ろ女性が多いよね。岡村靖幸のカッコよさはわからんでもないし、女性にとっても都合の良いタイプの性欲を歌ってるからでしょうけど。ある界隈の人達はこういう受容の構造をちゃんと直視して理解しなければならない。