取らぬ狸の胸算用

思い込みが激しい

最近のマンガ・ちょっとアニメなど

ザッと振り返りメモ。ネタバレ過多。

チェンソーマン』

 前も書いたけど第1部の公安編完結したので改めて。面白かった~。ただラスト、マキマさんという第1話からあからさまにヒロインかつラスボスであることがわかりきってるような最重要キャラクターの真意をあんな伝聞の形でポンと後出しするのはどうなんだ。言われてしっくりくるような真意でも全然無いし。やっぱりレゼ編がピークで、以後はちょっと超展開と見せつけ感がきつくなり冷めてしまった。でもとにかく絵が上手すぎるからそれで充分お釣りが来てしまう感じもある。第2部からはジャンププラスに移行ということで、ちょっと年齢層高めになるんだろうか? 楽しみ。前作のファイアパンチもいつか読みたい。

『スキップとローファー』

 友達から良いと教えてもらったもの。確かにすごく丁寧でよく出来てて面白かったし、自分じゃこういうティーン物って進んで選ばないから、久しぶりに読んで新鮮な気持ちになった。甘酸っぱすぎて時々心が叫びたがってしまったくらい。ただ進学校が舞台の青春物語であるがゆえに登場人物が全員真面目な優等生で、衝突やすれ違いがあってもベースに優しい人格者の世界が広がっているのが非常にリアルかつ私の高校と似すぎていて、それは作者の力量の証でもあるんだけど読んでいて非常に削られた。
 主人公達仲良しグループのスキンシップ過多な距離の詰め方とかも私が苦手だった交際そのものだし、高校時代の自分が感じていた「何でここにはゴミカスみたいな奴が誰もいないんだ」という違和感とある種の物足りなさ、後ろめたさを思い出してしまう。誰かの感想で「漫画版ブックスマート」と評されていたのが成程だった。スキップとローファーの方が開始時期早いから漫画版と形容するのも失礼なんだけど。ただ、良い漫画であることは間違いないのでこれからも読みたい。

『トリリオンゲーム』

 めちゃくちゃ面白い。1話の掴みが特に良かった。熱いバディ物ウルフ・オブ・ウォールストリートみたいな話で、これぞ漫画というハチャメチャ展開とテンプレなれど魅力的な登場人物が気持ちいい。大ベテラン池上遼一の劇画調の絵も恰好いいし話によく合ってる。
 最近まで認めようとしてなかったが私は男のバディ物が好きなんだなとわからされた。女同士でも良い気がするんだけど女同士は数も少ない上に必要以上にシスターフッドを強調される節があり、まだしっくりくるものに出会えてない感じがある。『プラダを着た悪魔』とかそういう意味で結構良かったけどバディかと言われると年離れすぎてて微妙だし。男女はあんまり趣味じゃない。

『雪の峠・剣の舞』『七夕の国』『骨の音』

 『ヒストリエ』の新刊が全然出ないので岩明均の過去作品を一気に読んだ。全部良いけど『雪の峠』が抜群に素晴らしい。佐竹藩(秋田)の築城問題という地味極まりない問題を移り行く時代の焦点として多面的かつスリリングに掘り下げている。本格的な考証と圧倒的な話作り、三者三様の思惑と望郷…ちょっと絶望するくらいの離れ業的手腕だった。時代の変化についていけない家老達の無念には目頭が熱くなるし、ずっと呑気そうに描かれる当主の佐竹義宣が最後、旧時代の家臣達を殺害するところで急に冷徹な表情をするのにも唸った。変化に伴う痛みが堪える歳になってきたのかもしれない。
 『剣の舞』はもろ『レイリ』の原案だったので特に言うことない。『七夕の国』はとても面白い異能力サスペンスで大満足したけど、やっぱり「窓の外」を見てみたかったなという心残りがある。最後あっけなかったのはもしかして打ち切りとかなんだろうか。『骨の音』は岩明均の新人時代の短編集で、粗削りだし正直よくわかんない作品が多かったけど、表題作はじめ「伝えたいものがある」という魂のこもった作品群で読んでいて勇気をもらった。
 岩明均は「絵が下手」と評価されることがたまにあるようで、今まで「えっ、どこが!?」と信じがたく思っていたのだが、『七夕の国』とか読むと確かに登場人物みんな似たような無地のシャツ着てて、これはあんま良くないなと思った。『ヒストリエ』だと舞台が古代ギリシアだから気にならなかったが。

不滅のあなたへ


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 宇多田ヒカルが主題歌ということで視聴中(エヴァは結局見てない)。1・2話はかなり好みだったけど3話以降はちょっと話が見えすぎる感じが出てきてうーんと思いながら今に至る。元々アニメって苦手なので結構しんどい。昨今の漫画アニメでは珍しいくらいに志が高くテーマも骨太でそれだけでも価値があるが、志の高さというのは説教臭さとも紙一重で難しいなと改めて実感させられる作品。そう言えば漫画原作者大今良時の前作『聲の形』も、腑に落ちない点が多すぎて好みとは言い難いが間違いなく志は高かった。この人の作品は登場人物の感情がいちいち重すぎて疲弊する節があるな。それが持ち味でもあるし、我が身を振り返ってブーメランに思うところもあるのだが。刺激によって学習するという主人公の説明の後にめちゃくちゃ刺激的な恰好のお姉さんが出てきたから何かあるのかと身構えたけど、そういう感じのことは何もなかった。
 宇多田の主題歌『PINK BLOOD』はまだあんまよくわからない。ただ今の時点でエヴァの『One Last Kiss』より好みの気がするけど、それは私の逆張りオタク精神がそう感じさせてるだけにも思えるし、もう私は自分の感性すらわからなくなってきた。もうダメかもしれない。

セガvs.任天堂/Console Wars』


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 U-NEXTオリジナルのドキュメンタリー映画だけど、面白かったのでサブカルついでに載せておく。自分の時代にはもうセガはハードから撤退していたのであまり印象がなかったけど、任天堂とこんなバチバチな時代もあったんですね。久しぶりにソニックやりたくなったし、童心に帰ってソニックの映画も見たくなった。