取らぬ狸の胸算用

思い込みが激しい

宇多田ヒカルの好きじゃない曲

私はミスチルの「彩り」が虫唾走るほど嫌いなのだが、この前すき家行ったら彩りが流れていた。それで改めてこの曲へのムカつきがむくむく湧いてきて、帰宅後すぐにネットで同意を探そうと「彩り 嫌い」で検索したら(陰キャ特有の行動)、意外なことに彩り嫌いのミスチルファンのブログがヒットした。

 

 

「こういうミスチルファンもいるのか」ってちょっと面食らったんだけど、よく考えてみれば私にも、好きじゃない宇多田ヒカルの曲って結構ある。この方ほど反吐が出るほど嫌いってものはないんだけども。

 

前提として私は宇多田ヒカルファンな訳だが、だからと言って別に手放しで礼賛しているつもりはない。宇多田ヒカル個人の発言とか見てると「まともじゃない」って思ったり「余計なツイートするな」ってがっかりすることも往々にしてある。人格は別に好きじゃないのでインスタライブも見たことが無い。そういえば今年の正月にも『マツコの知らない世界』に「落とし物の世界」のテーマで出演してたけど、その話題マジで興味ないしそもそもあの番組出る必要全くないし仕事選んでほしいって内心ちょっと苛々した。男性の趣味もかなり悪い。

 

でもまあそれは良いんだ。立ち戻ってアーティストをアーティストとして評価するという時にそんな個人的なことは二の次であり、重要なのは作品な訳だけども、しかしいくらファンと言っても曲にも当然選り好みがあるし、宇多田ヒカルの曲だから最高!って問答無用で断言するほどマンセーしてるつもりもない。長年ファンやってて曲も網羅的に知っている分、微妙だな、好きじゃないな、って思うものも当然そこそこあるので、ちょっと考えてみるのも面白いなと思った。めちゃくちゃ失礼だし不敬だし、同じファンから怒られるかもしれないけど、底辺ブログの愛ある悪態ってやつだから見逃してほしい。

 

First Love

最初期に一世を風靡した超有名曲で、「I'll remember to love you taught me how」って歌詞はほんと良いよなあと思うけど、曲としては湿っぽくて別に好きじゃない。「最後のキスはタバコのflavorがした」の出だしはやっぱ生意気だよね。私は25歳だけど、今こういう歌詞を書く16歳の女性アーティストが新しく出てきたら「チッ」って思うかもしれない。昔はあんまり思わなかったからこれは自分の問題だけど、デビュー当時に宇多田に反感を持った大人の気持ちも今はわかる。

 

Eternally

これもバラードで、やっぱり湿っぽくて好きじゃない。大事な人といつまでも側にはいられない切なさを歌ってて、「I wanna be here eternally」とか「この瞬間だけはずっと永遠に」とか、らしくないこと言っている。永遠みたいな手垢のついた安易な言葉をどうしても使いたいとしても、宇多田であればもうちょっと慎重にできたんじゃないかという気がする。

 

Keep Tryin'

この曲はむしろかなり好きな曲なのだが、そこそこイキッてるからどうしても引っかかる部分もある。そもそも宇多田ヒカルとイキリは切り離せないってくらい、初期から中期までは一貫してイキリ風味が曲に載ってはいるものの、大抵はそこにも飾らない青々しさがあって好感持てる仕上がりになっていた。でもこの曲のイキリには一部、本気で癇に障る幼稚さがある。

「将来国家公務員だなんて言うな 夢がないなあ」とか「ダーリンがサラリーマンだっていいじゃん 愛があれば」って歌詞はほんと子どもっていうか…。よくお前がそれ言えたなって思っちゃうよね。まあこの曲の時は23歳だし、しかも23歳にして大富豪だし、こんな歌詞書いちゃうのも仕方ないんだけどさ。

 

Flavor of Life

花より男子』のタイアップの曲だからだろうけど、遊びがなく綺麗にまとまっていて印象がぼやける。とにかくファンが好きな曲ではない。「柔らかくてあたたかな未来 手にしたい」って全然共感できない。

 

Automatic PartⅡ

タイトルをAutomaticにする必要はなかったんじゃないかという疑問が消えない。自身のデビュー曲をタイトルにしたセルフパロディってのはわかるけど、素人感覚からするとAutomaticと全然違うのに、そのパロディだと言われたらどうしても比較してしまう。そして比較した時、明らかにAutomaticよりオートマティックじゃない。自己紹介の歌なんだけど、そもそも自己紹介って手動的な不自然さがあるものだし。歌詞からもAutomaticの時にあった10代らしい瑞々しさや可愛げが削られて、ただイキってるみたいな感じがする。

 

Come Back To Me


曲自体もそんな好きじゃないけど、PVの宇多田のビジュアルがもっと好きじゃない。ちょうど激ヤセした時でげっそりしてる。宇多田ヒカルは美人だと思うが、前髪アップにしてるのは全然似合ってないから直した方が良いと思った。

 

花束を君に


藤圭子追悼の意味の曲でもあるだろうからあまり悪く言いたくないんだけど、まあ1個の作品なので感想を述べると、本当に面白くない。これに関してファンが「日本語の美しさを再確認…」とか言ってるのも寒すぎて勘弁してって思ってる。Fantomeからあまり歌詞に英語を使わなくなって、私もそれはそれで好きなんだけど、このあたりから確実に「日本人で良かった」「ヒカルの日本語は美しい」みたいな意味不明な感想を吐き出すファンが急増したことに寒気がする。そのヒカル別に生粋の日本人でもねーからって言いながら暴力を行使したくなる。

 

忘却 featuring KOHH

嫌いじゃないし、KOHHとのコラボでいつもと違う味が出てて良いと思うが、「これは何?」とは思わざるを得ない。「足がちぎれても 義足でも どこまでも 走れメロス」のとこでいつも乾いた笑いが出る。PV付のコラボ曲でそれなりに宣伝されている一方でアングラな魅力があり、ファンがマウントを取る時に挙げそうな曲という印象。これが一番好きだと言うファンがいたら「そっちかー」とそれから会話が滞る曲。ファンと交流したことないので偏見イメージだけど。

 

パクチーの唄

いや、ふざけんなと思った曲。ていうかふざけるなら「ぼくはくま」くらい楽しくやってほしいのに、この曲はふざけてるのに重苦しくて嫌になる。ふざけ具合が中途半端。私はパクチー好きだし宇多田ヒカルも好きなのに、かけ合わさったら面倒くさいんだなってよくよく身に染みた曲。「初恋」は全体的に重苦しいアルバムだからこの曲が緩和してくれるのかなと思って待ってたらこれさえも重苦しいから、余計がっかり感がある。

 

大空で抱きしめて


曲もそんな好きじゃないし、この曲が使われたサントリーのCMで宇多田が奥大山で「ボンジュール!」って叫んでるシーンにやや苛々する。そもそも宇多田はなんかよくボンジュールって言うけど、「いやボンジュールって何だよ」って毎回キレそうになる。

 

 

 

このくらいかな。並べてて思ったけどやっぱりファンあるあるとしてはタイアップ曲とかシングルカットの曲とかは大衆に寄っててあまり好きじゃない傾向にある。あと私は基本的にコラボ曲とかプロデュース曲とかも好きじゃない。特に主導権を宇多田が握ってないやつは全然ヒットしない。この前出してた椎名林檎の「浪漫と算盤」とかも、完全に林檎の曲に仕上がってるので全くピンと来なかった。

 

このブログ未だに宇多田について書いた2つの記事がぶっちぎりでアクセス多いのに、久しぶりに宇多田のこと書いたのがこんな悪口ばっかりですみません。disり愛みたいなのは私もあんま好きじゃないが、でもdisらせてよ~って思う時もあるので吐き出した。

ファンだから許されるってこともないけど、でもファンだから許してほしい。